毎年のようにビジネス良書が多く発刊されています。
本屋さんにいくとよく売れているビジネス書が詰まれていますが、本棚の奥にたくさんの隠れた名著が何冊も出ています。
今回は、1日1冊のビジネス書、毎年365冊読む筆者が、年末年始に絶対に読んでおくべき隠れた名著20冊を紹介します。。
ぜひ手に取って読んでみて下さい。
1.革命のファンファーレ 現代のお金と広告
お笑いコンビ「キングコング」の西野 亮廣氏の著書です。
西野氏はお笑い芸人として知られている一方、クラウドファンディングで国内歴代最高となる総額1億円を調達し、『えんとつ町のプペル』を作り、65万部という高い発行部数を誇りました。
そのお金の調達方法であったり、お金や仕事の考え方であったりについて書かれたエッセイとなっています。
アマゾンの論評では二番煎じだとか所詮タレントビジネスなど非常に酷評されていますが、私は読む価値があると感じています。
その根拠として、使えるものは何でも使い勝ちに導き出すその考え方や、既存の考え方にとらわれず自分の考えや目線を変えていくというやり方は非常に参考になりますし、納得感のある話が展開されています。
既存のものや考え方にとらわれている方に是非読んでいただきたい1冊です。
2.結果が出る仕事の「仕組み化」
本書では仕事をA:感覚型、一定のパターンから選択するB:選択型、誰がやっても同じ結果が求められるC:単純型という三つに分類し、BとCの仕事が仕事の8割、9割を締めていること、そして新しい価値を作り出すAに時間を割くためにはBとCをどれだけ仕組化し、時間を割かずに行えるようにするというのが肝であることを伝えています。
あなたは毎日の単純作業や、ルーティーンにどれだけ時間を割いていますか?
そのことを認識して、自分自身のクリエイティブな業務に時間が避けていない現状をどう改善していくかというきっかけになる1冊となっています。
仕事をシンプル化し、最大の利益が出せる働き方に変えたいと思った方に是非読んでいただきたい1冊です。
3.SINGLE TASK 一点集中術
「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる
マルチタスクに苦しんでいる方も非常に多いでしょう。
マルチタスクの生産性の低さについてあなたもなんとなく認識しているのではないでしょうか。
本書では、マルチタスクがあなたの仕事の生産性を奪っていることを証明しつつ、仕事に「1点集中」させることの重要さと、タスクをどのようにシンプルにしていくのか、またどのように時間を管理させながら仕事をするのが良いのかを説明してくれている1冊となります。
上述のようなマルチタスクで仕事が処理できていない方にお勧めしたい1冊です。
4.信頼の原則――最高の組織をつくる10のルール
仕事の基本中の基本は「信用」と「信頼」です。
そしてこの「信用」と「信頼」というのはもっとも基本となるもので、最も裏切られるものと言ってもいいでしょう。
そして、信頼というものは一体何なのかというのも案外皆さんにとって分かっているようで分かっていないものではないでしょうか。
本書では信頼とは一体どういうものであるかということ、そして信頼とは裏切られるものという前提の中、どのように獲得していくべきものなのかということについて書かれたビジネスの根本を説いた1冊と言えます。
ビジネスの基本は信用と信頼です。
この一言を聞いてピンと来ない方にぜひ読んでいただきたい1冊です。
5.孫社長のYESを10秒で連発した 瞬速プレゼン
本書はソフトバンクの元社長室長が書かれた1冊で、多忙な孫社長から短時間で企画を通すことの極意が記載された1冊です。
ここでポイントとなるのは「10秒」といった短時間で意思決定をさせるための仕掛けをちゃんとできているかということです。
つまり、シンプルにまとめ上げるための準備をちゃんとやっておかないといいプレゼンができないということなのです。
とはいえ、どのような準備をしていくことが求められていくのでしょうか。
本書は、その準備をするために何をすべきなのか、即断させるための情報をどうとっていくのか、メールや電話の活用法からチームで仕事をすることをどう生かしていくのかきわめて実践的な内容が記載されています。
プレゼンがあまり得意ではない、プレゼンの際ダメ出しをよくされているという方にぜひ読んでいただきたい1冊となっています。
6.会社では教えてもらえない 生産性が高い人の思考整理のキホン
頭の中が常に整理されている状態で仕事をしたいものですが、現実はどうでしょう。
マルチタスク、あらゆる状況で浮き沈みする感情、メリット・デメリットが混在し落としどころが見えない状況、そもそもどの仕事から先に手を付けていいのかわかっていない状況などなど頭の中が整理されていない状況で仕事をしていることのほうが多いのではないでしょうか。
そんな方に対し、思考を整理するための簡単な方法というのが必要です。
本書は、思考を整理するノウハウであったり、実践的でかつ簡単なやり方であったりを数多く紹介されている実践的な1冊となっています。
仕事において、あれもこれもやろうとして結局なにもできていない方や、思考の整理が必要だけどどうすればいいのか分からないという明確な課題をもっている方に対し、ぜひ手に取っていただきたい書籍となっています。
7.コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術
自分は仕事が全然できていない、でもどうすれば仕事ができるようになるのかと頭を抱えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
本書はコンサルファームに入社したものの、仕事が全然できなくて、周囲からコテンパンに言われていた著者が仕事ができるようになった技能の詰まった1冊です。
ここに書かれていることは、社会人7年目や8年目といった方が読むには、少しレベルが低い「当たり前のこと」が書かれています。
しかし、裏を返せば、それができていない方であれば、自分の能力のチェックリストとして、ちゃんとできているのかを確認し、できていることを実践すればいいでしょう。
また、入社3年目くらいまでの若手であれば、身に着けてほしい仕事術がまとまっているため、ぜひ読んで実践してほしい内容が書かれています。
自分の仕事の基礎力をあげたい方に是非読んでいただきたいと思います。
8.気のきいた短いメールが書ける本――そのまま使える! 短くても失礼のないメール術
ビジネスメールというのは、1通送るのに非常に気を使うため、気が付いたら非常に時間がかかっている、もしくは30分くらい考えて、結局送れていない、なんていうことはあったりしませんか?
また、敬語の使い方というのも意外とわからないということも案外少なくないのではないでしょうか。
本書は、敬語がわからない、敬語がうまく使えていないという方についてはもちろんのこと、メールを端的に作成したり、わかりやすい文章を作成するための基本となる極意が集約された1冊となっています
メール作成が苦手な方、また敬語の使い方に自信がない方、またメールを作成しているとついつい冗長的になってしまう方には是非お勧めしたい1冊となっています。
9.稲盛和夫・KCCS実践経営講座 心と生き方
著者の稲盛和夫氏といえば、京セラの創始者でかつKDDIの創始者という日本でも屈指の実業家としてご存知だと思います。
稲盛氏が経営を行う上で大事にしているのは「京セラフィロソフィ」という経営哲学・理念です。
京セラの社員は、毎朝復唱させるなど経営の軸と位置づけ、非常に大切にし、実際成功をさせています。
仕事を行う上で技能のバックグラウンドになるのは「心」や「考え方」について書かれた1冊が本書となっています。
あなたは人生に対して大きな希望も抱かず、仕事のやりがいも知らないままで毎日を過ごしていませんか?
稲盛氏は人生・仕事の成果は「考え方×熱意×能力」という「掛け算」で成立してくると本書では伝えています。
あなたは能力があっても考え方や熱意の部分でイマイチだから成果をうまく出せていないということはありませんか?
なんとなく毎日嫌々仕事に行っている方、漠然と将来に対する不安を感じている方など仕事についての明確な目標がなく、ただ働いているといった意識を持っている方に是非読んでいただきたい書籍といえます。
10.最適解の技術
人生も仕事もあらゆる場面で選択が求められます。
そして、その選択において仕事の出来不出来が明確な差が分かれてくることも決して少なくはありません。
「何をする」「しない」「いつやるか」「どのようなやり方をするか」ということを考えずエイヤーで行動・決断をしてしまうことも決して少なくはないでしょう。
本書は、「決断」する際の判断をするとき、また、決断をするためのプロセスのやり方、すなわち「最適解」の出し方を、あらゆるケーススタディーを「問題視点」や「ゼロベース」といった考え方、テクニックを用いながら説明した1冊となっています。
自分に判断力がない、また判断が必要な場面に迷って決断ができない方に対して手に取っていただきたい書籍となっています。
11.優れたリーダーはみな小心者である
優れたリーダーというのは、即断即決で大胆な決断をしているような印象を持たれている方も多いでしょう。
しかし、本当にできるリーダーというのは必ずしもそうではなく、むしろ小心者、臆病者である必要があるということを説いた1冊です。
なぜ、臆病者である必要があるかというと、部下の自尊心を傷つけないようにどういう伝え方をすればよいのか、どのようなリスクが潜んでいるのか、最悪な状況というのはいったいどういう状況なのかなど悪いことを想定しておいたほうが、その最悪に備えながら行動しておくと直ぐ対応できるというのがこの書籍において、著者がとっているスタンスとなっています。
本書はリーダークラスをターゲットとしているので、リーダー的な立場になった方に読んでもらいたいのはもちろん、最悪な状況を想定する、相手の自尊心を奪わない行動をとるというのは仕事をするうえで非常に大事な能力です。
イケイケで行動してしまうタイプの方においてもぜひ読んでいただきたいと思います。
12.自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇 管理しない会社がうまくいくワケ
仕事を行う上で「変える」ということが常に大事とされています。
そして、何かを「変える」ときに最初に変えなければならないのは「心」や「考え方」です。
カリスマのあるリーダーというのは「変革」をもとめ、自身の部下を無理くり変えようと取り組むというケースも多いですが、結局自分自身で変わらないと長期的な変革にはつながらず、そのカリスマリーダーがいなくなった途端元に戻るというのが関の山です。
そのため、リーダーに求められるというのは、部下が自分で変わるきっかけを作れるかどうかというところにあります。
本書はあらゆる組織論、リーダー、モチベーションアップ論などマネジメントの土台になる「マインドセット」という考え方を中心に書かれた1冊となっています。
マネジメントに悩んでいるリーダーをやっている方はもちろんのこと、セルフマネジメントの基本書として読んでいただきたい書籍といえます。
13.マネーという名の犬 12歳からの「お金」入門
あなたが今働いている理由は何でしょう。
それはやりがいでしょうか、もしかしたら暇をつぶすために働いているという方ももしかしたらいるかもしれませんが、その根本は「お金」が稼げるから働いているというのは間違いのない1つの真理でしょう。
しかし、あなたはお金のことについてどれだけ理解していますか?
もしかしたらお金は汚いし、稼ぐためにいろんなことをやっている方を悪だと思っている人もいるかもしれません。
このようにお金というのは一人一人によってその感覚や倫理が異なるものです。
ただ、お金を作れる人と作れない人というのは会社によって価値が変わってきます。
会社は経済活動を行う組織です。
お金に関する考え方を一度整理するうえで本書を読んでみてはいかがでしょうか。
14.考える練習帳
「下手な考え休むに似たり」ということわざがある通り、無駄に考えていても時間の無駄であるということですが、うまく「考える」ということは重要なことですが、意外と考え方というものがわかっていないということは多いのではないのでしょうか。
その結果、何も考えていないのと同じような直感で結論を出してしまうということも少なくはないでしょう。
本書は「考える」ということの方法について説明するとともに、どのようにして結論をだしていくのか、またその考えるためのトレーニングをどのようにすればいいのかを45のレッスンプログラムを提示した書籍となっています。
考えてもいい結論をだせないと思っている方、考えるということがただの時間稼ぎになっている人に、結論の出し方を知るための1冊として手に取っていただきたいと思います。
15.SHOE DOG(シュードッグ)
「NIKE」といえば、スポーツシューズのメーカーとして知らない人はいないでしょう。
しかし、「NIKE」がどのようにしてできた会社かということを知っている人はほとんどいないでしょう。
本書は、「NIKE」を創業するまでのプロセスが書かれた経営者の自伝となっています。
本書から一番伝えたいメッセージは好きなことを情熱と自信をやるということです。
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、この言葉は好きだからこそ時間をかけて一生懸命やるからこそだれよりもその能力に長けてくるということなのですが、仕事も全く同じです。そして、好きだからこそどんな困難にも打ち勝つことができます。
NIKEの創業者である「フィル・ナイト」の半生を本書で読むと、まさに上述の内容が書かれています。
また、困難に打ち勝つために時に姑息な手を使ったり、泥をすするような日々を送ったりすることもありました、そういう「戦う」気持ちを芽生えさせる、また思い出させる1冊といえます。
自分の中に仕事に対して「好き」だとか「戦いたい」と思えていない方にぜひ手にしていただきたい書籍です。
16.アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉
アドラーは先般話題になった心理学者で、彼はすべての課題を「対人関係」だと位置づけています。
そして、人は変えられないけども、自分は変えられるということを残しており、自分の課題を解決することを大事にしています。
そしてその変革を行うためには「勇気」が必要だと言っています。
「嫌われること」を嫌がらず、「劣等感」や「コンプレックス」を認め、自分でできる改善はいったいどういうことなのか、そして「貢献する」、「必要とされる」人となるため、どうすればいいのかという「自分」に目線をおいて変わっていくことができるきっかけになる書籍だと言えます。
あなたは何かうまくいかないことに対し、人に文句を言っていませんか?会社にそんなことを思っていませんか?
本当に何かを変えたいのならば、まずかわるのはあなたです。
あなたを変えるうえで大事な言葉が掲載されている1冊であると言えるでしょう。
17.シンプルに結果を出す人の 5W1H思考
あらゆる思考を整理する方法として「フレームワーク」という手法がよく取り上げられます。
しかし、フレームワークの欠点としては、使い方を覚えるまで習得が難しいし、何より覚えられないという煩雑さが欠点であるといえます。
そのなかで「5W1H」、すなわちなぜ、いつ、どこで、だれが、何を、どうやって・どのくらいというフレームにあてはめて、物事や思考を簡単に整理するフレームとして5W1Hというフレームワークをやりましょうという提案を込めた1冊となっています。
これだけを使えるだけで、あらゆる状況や課題を解決するための最もわかりやすいフレームワークとして機能するということ、また物事をシンプルに考えられるため非常に利便性が高いのです。
本書を読むことで、5W1Hというフレームの利便性が良いことはもちろん、実際にどのように活用していいのかという実践的な内容が記載されています。
頭の中の整理することを必要な方、フレームワークがとっつきにくくて分かりにくかったという方にお勧めしたい書籍であるといえるでしょう。
18.人を操る説得術 ──7ステップで誰でもあなたの思いのまま
仕事を進めることにおいて重要なことは「人を巻き込む」ということです。
一人ではできないことだったとしても、人に「協力」をえることで、自分一人よりはるかに仕事幅効率を上げ、一人ではできないことを実現することができます。
とはいえ、人は手伝う、参画するというのは仕事が増えるため、嫌な傾向があります。
本書は、周囲に仕事を手伝ってもらうなど人を動かして仕事をすることが必要となった場合、どのようにして依頼をすれば自分に手助けをしてくれるといった「巻き込む」方法を記載した1冊となっています。
また、本書に記載された内容は、心理学者が学術的な見解から考え、かつ実験で検証が済んだものとなっています。そういった観点からも非常に試してみたい手法が数多く書かれています。
人に依頼するのが苦手、人を巻き込んだ仕事ができないという方にお勧めしたい1冊です。
19.「数字」が読めると本当に儲かるんですか?
お金のことを知るためには会計の知識を持っておくと仕事をするうえで非常に役に立ちます。とはいえ、会計の考え方を知るにはそれなりの勉強をしなければならないためなかなか身につけられていないということもあるのではないでしょうか。
本書はそういった会計のことを著者の実体験に基づいて、わかりやすく書かれた1冊となっています。
「管理会計」や「限界利益額」といった専門用語に対し、アレルギー反応を示している方にとっては、わかりやすく、しかも短時間で会計の知識を身に着けることができる非常に「使える」1冊となっています。
お客さん、また自社の会計状態を知りたいと考えている方にとって、「会計のバイブル」といわれる書籍と言って良いでしょう。
会計知識を身に着けるのにお勧めです。
20.あの会社はこうして潰れた
「失敗は成功の母」という言葉がある通り、失敗した際には、失敗するだけの理由があり、その失敗した理由というのは成功に繋がります。
本書は、リサーチ会社という会社の体質などを見る立場の人が、経営に失敗して倒産した会社を紹介し、その倒産する背景となった事実等が書かれた1冊となっています。
本書から、なぜ数々の企業は倒産をするような失敗をしてしまうのかという事実を知ることで、法人と個人という違いはあるものの、各企業が自分のことを見つめなおすきっかけになる1冊です。
非常に読みやすく、勢いよく読むことができるという点でもおすすめです。
本書を読み、自分がいましくじっていることを気づく、再認識することのきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回上記でご紹介した20冊というのは、多少のレベル感の差はありますが「ポータブルスキル」、すなわちどんな仕事をしていても、どんな会社に勤務していても使える仕事のベースになるスキルを上げるため、もしくは仕事のモチベーションを上げ、前向きに仕事を進められるようにするための書籍を選定しました。
20代~30代前半というのは基礎力をつけ、30代中盤以降「脂ののった」良い仕事をするためにあらゆるインプット・アウトプットが必要な時期です。
上記であげた書籍を読み、しっかりインプットを行ったうえで、あなたの飛躍に役立てていただけたら幸いです。