こんな悩みをスッキリ解消
- オートマとマニュアルの違いを知りたい
- 免許取得時にオートマ限定にするべきマニュアルにするか迷っている
- オートマとマニュアルのどっちの車を買おうか迷っている
免許を取りに自動車学校に行くとオートマ限定にするかマニュアルも取得するのか迷います。
そこでこの記事は、オートマとマニュアルの違いを分かりやすく解説。
専門用語を用いず、わかりやすい言葉で仕組みを解説しています。
オートマ車とマニュアル車の違いは?
まず最初にオートマとマニュアルの違いをカンタンに説明します。
オートマ車とは?
オートマとは「オートマチックトランスミッション」の略です。
言葉だけ聞くと噛んでしまうような車ですが、ザックリ言うと、自動でギアチェンジをしてくれる車のこと。
マニュアル車とは?
マニュアルとは、自分でギアチェンジをする車のこと。
ギアチェンジをするためには、ブレーキとクラッチを操作しながらギアをチェンジします。
マニュアル車の方が自分でギアチェンジをする楽しみがあるため、運転好きの人は敢えてマニュアル車を好んで購入する方もいます。
オートマ車とマニュアル車のメリットとデメリット
オートマ車とマニュアル車のメリットとデメリットを下記表でまとめました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
オートマ車 | 自動でギアチェンジするため運転に集中できる 発進する時のエンストの心配がない どの車種でも選ぶことができる 免許取得が安くなる |
車を運転している感覚が薄くなる アクセルとブレーキ踏み間違いによる急発進のリスクが高くなる フェード現象やペーパーロック現象を引き落とす可能性あり |
マニュアル車 | 車を運転している実感がある 上手に走れば低燃費で走れる アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進が少なくなる 修理費用が安く済みことがある |
片手が埋まってしまい運転が面倒 半クラッチをうまくやらないとエンジンが止まる (特に渋滞時など面倒) マニュアルに対応してない車は購入できない 免許取得が高くなる 売るときに安くなる |
また、オートマではシフトレバーが「P(パーキング)」や「N(ニュートラル)」以外の時は、少しずつ前進するようにできています。(専門用語でクリープ現象)
坂道では後退しないというメリットがありますが、停車時にブレーキをしっかり踏んでいないと、前の車にぶつかってしまいます。
免許はオートマ限定?それともマニュアルで取得するべき?
オートマかマニュアルかを一番意識するのが免許取得時です。
オートマ車とマニュアル車の免許取得の割合
最近ではマニュアル車はかなり減り、オートマ車限定で取得する人が増えています。
警視庁が発表した資料によると、令和元年に普通自動車免許を取得したのは「1,147,056人」で、そのうち「768,153人」がオートマ車限定免許(全体の66.9%)となっています。
つまり免許を取得する人のうち3人に2人がオートマ車限定で取得しているということです。
日本ではオートマ限定で問題なし
日本で暮らす限りは「オートマ限定」で問題ありません。
まずオートマ限定の方が免許が取得しやすいというメリットがあります。
オートマのペダルはアクセルとブレーキの2つだけ。
さらに加速するのもD(ドライブ)に入れて、アクセルを踏むだけなのでとても運転がカンタンなのです。
また、実際に自動車学校の技能講習(運転の講習)も3~4時間程度は短くなっています。
もちろんその分、卒業までの費用も安く1~1.5万円ぐらいは安くなります。
オートマ車が必要なシーン
今ではほぼありませんが、昔は仕事の営業車がマニュアルということがありました。
そうすると、オートマ限定の免許だと乗ることができず営業活動が出来ませんでした。
ただし、現在は、オートマ車が主流となっております。
つまり、よほどの車好きでマニュアル車にどうしても乗りたい人以外はオートマ限定でいいでしょう。
オートマ限定からマニュアルを運転できるようにするには?
現在、オートマ限定免許でどうしてもマニュアルを運転する必要がある場合は、「限定解除」という審査を受ける必要があります。
限定解除の2つの審査方法
- 運転免許試験場で直接試験を受ける(試験手数料:1,450円、試験車使用料:1,550円 合計3,000円)
- 自動車教習所に通って受ける(講習費:5~7万円程度)
運転免許試験場で直接試験は、運転免許と同じく、一発で合格はほぼできないと言われています。
限定解除の審査に合格すると、運転免許証に「限定解除」のスタンプを押してもらい、晴れてマニュアル車が運転できるようになります。
オートマのギアの仕組みをもっと詳しく
車には、トランスミッションというエンジンの力をタイヤなどへ伝える装置が付いています。
これはエンジンが搭載されている車には必ず装着されているもので、車が走る上では絶対に無くてはならない部品。
自転車にも車にも、動力を伝える「ギア」という部品が取り付けられています。
ギアとは歯車のことで、大小の歯車によって構成されています。
自転車で走り出す時、基本的に軽く漕ぎ出せる「1速」を使い、スピードが出るほど重い「2速や3速」を使います。
実は、車も同じ仕組みで走っているのです。
そのギアを組み合わせている装置が、冒頭で紹介したトランスミッションという部品となっているのです。
変速を自分で行い走る車が「マニュアル車」、アクセルを踏むだけで自動で走ってくれるのが「オートマ車」と呼ばれています。
オートマギアの記号の意味
オートマ車には下記のイラストのように、6種類のギアが用意されています。
【P】パーキング:停車時
Pはパーキングの略で、車を完全に停車させる時に使います。
エンジンを切る前に設定することが多く、パーキングブレーキと併用して使います。
ギアをPに入れてパーキングブレーキを併用すれば、ブレーキペダルから足を離すことが可能です。
【R】リバース:バック時
Rはリバースの略で、車を後退させたい時に使います。
バック駐車や車の位置を変える時に使うため、基本的には使用しないギアと言えるでしょう。
【N】ニュートラル:停車時
Nはニュートラルの略で、停車時に使います。
エンジンの力をタイヤに伝えないようにするギアなので、車は慣性の法則に従う状態になります。
ニュートラルを使う時は、フットブレーキの併用は必須。
車がエンストしてしまい、人の手で押す時などに使用するギアと言えるでしょう。
【D】ドライブ:走行時
Dはドライブの略で、走行時に使うギアです。
ギアをDに入れてパーキングブレーキを解除し、アクセルを踏むことで車が前進します。
自動で1速2速と変速を行ってくれるため、基本的には何もする必要がありません。
【S】セカンド:下り坂走行時
Sはセカンドの略で、強いエンジンブレーキをかけたい時に使います。
具体的には2速でギアを固定してくれるもので、長い下り坂で車が加速していかないようにします。
【L】ロー:急な下り坂走行時
Lはローの略で、セカンドより強いエンジンブレーキをかけたい時に使います。
長い下り坂で使うのはもちろん、急な上り坂で強い力が必要な時にも使います。
オートマ車は、この6種類のギアを選べばコンピューターが適切な対処をしてくれるのが特徴。
最近ではオートマ車も進化しているので、次章では進化したオートマについて紹介していきます。
「CVT」「DCT」とは?
オートマ車と言っても、最近は燃費や性能面から次々と新しいものが登場しています。
中でも、最近多くの車に搭載されているのが「CVT」や「DCT」といったもの。
これらがどういうものなのか、これから解説していきます。
CVTとは無段変速機のこと
オートマ車に乗っていて、「変速ショック」というものを感じたことがありませんか?
これはオートマの仕組み上仕方がないことで、1速から2速に変わる時などの「変速時」に、車が一瞬ガタッと揺れるのです。
先程説明したように、オートマというのはいくつもの歯車が組み合わされているもの。車の速度が上がるにつれて、歯車を切り替える必要があるのです。
その時に発生するのが変速ショックというもので、オートマ車には必ずつきものです。
CVTの仕組みはカンタンで、2つのプーリーと呼ばれる部品の間にベルトが付いています。
このベルトをスムーズに動かしていくことで、歯車の代わりにしているのです。
CVTのメリットは変速ショックがないことによる、スムーズな走行を可能にしている点です。
車がスムーズに走るということは低燃費ということに繋がり、多くの低燃費車に搭載されています。
ただし、スポーツカーに代表されるハイパワー車にCVTは搭載することができず、コンパクトカーや軽自動車に搭載されることが多いという特徴を持っています。
DCTとはデュアルクラッチトランスミッションのこと
国産車の多くに搭載されているCVTに対し、輸入車に多く搭載されているのが「DCT」と呼ばれるもの。
これはデュアルクラッチトランスミッションの略で、イメージとしてはマニュアル車に近いものです。
クラッチとは、エンジンとタイヤを繋いでいるものです。
これは任意で切り離すことができ、マニュアル車はギアを切り替える時に一旦クラッチを切り離します。
クラッチ操作がマニュアル車の面倒な部分ですが、DCTはその操作を自動で行ってくれるのです。
具体的には、クラッチが2つあるため、走行中にコンピューターが次のギアを準備。
速度が上がったところでそのギアのクラッチを繋ぎ、以前のギアのクラッチは切り離します。
これを繰り返すことで、自動でギアチェンジが行えるのです。
DCTは非常に優れた機械と言えますが、仕組みが複雑で故障のリスクが高まります。
その上故障した時の修理代が高額になるため、多くの車に搭載されていないのが実情。
筆者としても、シンプルで故障の少ないオートマ車をオススメしています。
オートマ車のシーン別の賢いギア選択
オートマ車は、ここまでの説明の通りギアチェンジを勝手にやってくれるのが特徴。
しかし、ほんの少し工夫をすることで、低燃費と車の寿命を延ばすことができるのです。
そこで本章では、覚えておきたい賢いギア選択のコツを紹介します。
SやLを使うと低燃費化&車の寿命が伸びる
オートマのギア説明で紹介した「S」や「L」ですが、これはエンジンブレーキを強める効果があります。
エンジンブレーキとは、低めのギアでわざとエンジンの回転数を上げることで減速する方法
ブレーキペダルを踏まないで減速ができるため、ブレーキパットの寿命が伸びるのです。
つまり、ブレーキパッドの交換スパンが伸びて長く車に乗り続けることが可能。
その他にも、ハイブリッドカーはエンジンブレーキを使っている間はバッテリーを充電します。
その分低燃費に繋がり、無理にブレーキペダルを踏むよりメリットが多いのです。
SやLは低速ギアと呼ばれるものなので、加速力が上がります。
雪道発進でパワーが欲しい時や、急な上り坂を登る時に使うと便利です。
他にも、オーバードライブで低速ギアに切り替えることで、高速道路の合流時などに役立ちます。
まとめ
- 車にはトランスミッションという部品があり、オートマとマニュアルに分かれる
- トランスミッションにはギアという歯車があり、オートマは自動、マニュアルは手動で切り替える
- ギアがないCVT、マニュアルなのに変速を自動でするDCTというものが登場した
- オートマが一番運転がしやすくてオススメ
- SやLの使い方を覚えておくとオートマ車でも細かなギアチェンジが可能